どうした警察

 世界一治安の行き届いた国と言われている日本。日本の警察はそうした評価に誇りを持って今日までやってきたはずだ。確かに海外の事情に比べると日本の警察は世界に誇れるところもあるらしい。だが、昨秋の神奈川県警の一連の不祥事、今回の新潟女性監禁事件に於ける警察の隠蔽工作の発覚などでそうした評価が大きく揺らぎはじめている。警察官としての資質が低下しているのか、それとも警察組織全体の構造的な欠陥なのだろうか。
事ある度に繰り返される、信頼回復の弁も、そらぞらしくてなんの説得力も持たない。

 警察管の不祥事は覚醒剤、集団暴行、脅迫、犯人隠蔽、と多岐に渡る。法を守り、犯罪を取り締まる最高権力を持った組織がこれでは、国民の信頼を得ることは大変難しいと言わねばならない。今回の新潟県警における虚偽の発表にも、組織内のものには大変甘く、国民に対しては大変高圧的で厳しい体質が物語られている様に思う。保健婦さんの度重なる要請に横柄な態度しかとれなかった警察官、それを隠すために、組織ぐるみで虚偽の発表をする。公僕であるはずの警察官が、いつしか特別の地位にある偉い人になり、国民を見下ろしているのではないだろうか?

 幼少の頃、警察官は男子のあこがれの職業でもあり、まぶしくもみえた。拳銃を持って、白バイに乗り、強きをくじき弱気を助ける正義の味方として、カッコよかったわけである。反面、警察官を見ると何もしてないのに怒られそうで、怖いとも思っていた。子供が高額のお金を待ってはいけないと教えられていた私は、父の言いつけでタバコを買いに行く時などは、ポケットの百円札を見つかると警察官に叱られると思い、ひたすら隠し持って出かけた事もあった。

 歳をとるに連れ私の中の警察像も変わっては行くが、日頃お付き合いすることがあまりないだけに、どんな人がどんな思いで警察官になるのか、警察の内部ではどんな教育がなされているのか、大変気になるところである。
こんな不祥事を続ける警察に法律で電話を盗聴する権限まで与えてしまった日本。絶大な権力を手にした警察に、自らのチェック機能が失しなわれてしまっている以上、最早国民一人一人が警察を監視する意外に道はないのだろうか。



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